モーラステープのリスク
経皮吸収率の高いモーラステープは、メトトキサレートとの相互作用を引き起こすリスクがあるため、併用には注意が必要です。前述のように、テープ剤はパップ剤よりも粘着力が強くはがれにくいのが長所ですが、その分はがす際にかかる皮膚の負担も大きくなるため、皮膚がかぶれることがあります。とりわけ、外用剤は局所的に痛む場所に貼るため、毎日同じ場所に貼り続けることになり、皮膚かぶれを起こすリスクが高まります。そのため、高齢者など皮膚が荒れやすい人や背中や腰などあまりはがれる心配のない場所に使う場合は、モーラスパップを使う方が副作用が少ないと考えられます。また、モーラステープやモーラスパップを貼っていた場所に直射日光を当てると紫外線による光線過敏症を起こすことがあるため注意が必要です。光線過敏症を避けるため、薬剤師は、はがした後4時間は患部を遮光したり、野外での活動を避けるという指導をしっかりと行う必要があるでしょう。鎮痛薬の外用剤は家族や知人間で譲渡や使いまわしが行われることが多く、皮膚炎のトラブルの多い薬です。そのため薬剤師は、なぜ他人の薬を使ってはならないのかということや、薬のリスク、副作用についても併せて指導するのが良いでしょう。